NEW NORMAL ”新しいフツー”について

資産運用会社PIMCOのCEOモハメド・エラリアン氏の使った、この「NEW NORMAL」という言葉にドキッとした!


言葉の用いられた文脈としては、リーマン・ショック後に世界経済の常識が崩れて

  • 世界は低成長を維持するようになる
  • 高水準の失業率(昨年は欧米で9%越え)の維持
  • ちょう低金利(日米で政策金利はほぼゼロだ)
  • 米国でも投資銀行システム崩壊後銀行の収益が以前のようには上がらなくなる
  • 公的機関が銀行等個別企業の管理をするようになる
    • アイスランドにはそこらの壁に『WELCOME TO THE REPUBLIC OF IMF.』って落書きしてあるんだって。怖!

その他、経験則のあてにならないような「新しい常識」がまかり通るようになる、ということです。


変容していく常識の中で、私が一番守りたいのは衣食住です。って、大袈裟に聞こえますか?
「衣食住に困ったことがない」という、地球上でも極めて珍しい豊かな暮らしは
戦後の発展の恩恵を受け成立しています。だけど、未来永劫続く保証なんてどこにもない。
2009年には68億人だった人口は国連推計によると2050年には91億人に増える。
そして貧しかった新興国のひとたちもどんどんお金を持つようになって、食料を買いにきています。
PIMCOのレポートから図と文章を引用しますが、


EM*1の規模の優位性を示すもう1つの例として、モルガン・スタンレーが作成したチャートを紹介しましょう。このチャートによると、可処分所得が10,000ドルを超えるBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の世帯数は米国、もしくは欧州とほぼ同水準に達していると推計することができます。さらに、可処分所得が10,000ドルを上回るBRICs諸国の世帯数は、今後5年以内に、米国と欧州を合わせたよりも多くなるのです。
カーティス・ミューボーン(マネージング・ディレクター、ポートフォリオ・マネージャー)
新興国市場 ニュー・ノーマルにおける投資機会

そういう状況。
限られた食料は当然奪い合いになり、インフレが起きる。
実際、隣国の韓国では昨年末に白菜が1個730円まで上がったそう
(キムチ作るのも大変だったでしょう…ってごめん話それた)。
食料費の上昇分をカバーしないと家計は圧迫され、生活の質を下げざるを得なくなる。
困ってから対策するのでは、変わっていく「フツー」にどんどん置いていかれる。


置いていかれないように、
現在位置の把握や変化に先んじた対応をしていきたい。


常識が当たり前に変容していく、という感覚・視点というのは
勿論経済だけでなくあらゆる場面で持っておくべきものと感じた。
苦しまないように、だけじゃなく、毎日を楽しみながら生活するために!
 

*1:新興国のこと