「Greed is good.」

表題の台詞だけ覚えていて映画を観たことがなかった、気になったので見た。
『言葉は悪いかもしれませんが”欲”は善です。”欲”は正しい。”欲”は導く。”欲”は物事を明確にし、道を開き、発展の精神を磨き上げます。欲にはいろいろあります。生命欲 金銭欲 愛欲 知識欲。人類進歩の推進力です』
冷徹富豪のくせに株主総会でそういうこと言っちゃったりするマイケル・ダグラスが良かった。あと、ごっついケータイや「そのあとナンパろうぜ」「今夜あたりコマそうぜ」といった言い回しも古めかしくて面白かった。笑 さすが1987年の映画。
チャーリー・シーンが父親に『おまえは財布の大きさで人間を測るのか?』と聞かれたところで、その問いかけこそ自分が証券営業をやめようと思った理由のひとつだったのでドキッとした。就職して2年ほどが経った頃、上司に詰められすぎて貯金残高と人間性なんて相関あるわけないじゃんって、閃くまで分からなくなっていた。1億持ってる人と1000万円持ってる人だったら前者と話すのが当たり前じゃんお金ない人と長々話したところで仕事終わらないしなーと思ってた。仕事的には正解(最適解は顧客全員の資産を殖やすこと、だけど、ひとりで150人の資産なんて正直見きれないし、上司だと千人とかいる担当顧客の名前すら覚えていなかったりしたので、それを叶えるのは難しかったように思う。新規発売商品が次々と出てくるから、その在庫を消し去ることに注力してるしかなかった。ほとんどの営業員が。)でも、私はそのものさしを振り回す下衆な人間になりたくないと思った。
「安易な金より実のある人生だ」という言葉の中に「欲望が善」という言葉は内包されていると思う。ぱっと見、両極端にあるもの、とも読み取れるかも知れない話だけども。そして、特に日本では欲は恥ずべきものとされている気がするけど、欲望を徹底的に否定していったらお坊さんか仏になるしかない…ってまた極論になってしまった…嗚呼。とにかく私は、大小さまざまな欲望を持っては叶え大事なひとたちのそれらも可能な限りそうしていって、満足度の高い生を楽しみたい。です。